<初めに>
P.Robert M.Flynn,S.J.先生は1920年にお生まれになり、2009年に昇天されました。六甲学院では、17期、23期、29期、35期、41期の五つの期を担任として、中学1年生から高校3年生まで一貫して指導して頂きました。その間、後に全catholic系の中学高校の英語教科書となる有名な「プログレス」を生み出されると共に、バスケットボール部コーチとしても活躍されました。
私は、六甲教会で執り行われた追悼ミサと遺品の展示会に出席しました。その時、フリン先生が最後まで身に付けておられた小さな木の十字架を見て「まるでマザーテレサのようだ」と衝撃を受けました。遺品は欲しい方に下さるとの事でしたので、後日車を出して肖像画や写真アルバムなど全部もらって来ました。永く自宅に保管していましたが、六甲生みんなの財産だと思い、フリン先生祈念館を作る事を提案させて頂きました。ご賛同頂いた六甲学院の関係者の皆さん、貴重な思い出の品々を寄贈頂いた皆様に感謝致します。
<フリン先生祈念館はどこにあるのか?>
フリン先生祈念館は、六甲学院校庭内の別館に有ります。
昔は神父様達が居住されていた懐かしい別館のマリア様の左側の小路を進んで頂きますと正門に至ります。
別館正門の鍵は、平時は閉まっています。
ご見学を希望される方は、29期 松本宏さん(E-Mail:ma2motohr4@gmail.com)までEメールでお申し込み下さい。同行して鍵を開けると共に案内してくれるそうです。また、コロナ感染が終息しましたら、今まで通り、年に一度お掃除と祈念館見学とフリン先生追悼ミサと新しくなった六甲学院校舎見学会をワンパックにした「フリン先生を偲ぶ会」を開かせて頂きます。
<どの様な遺品が展示されているのか?>
<遺品内容>
フリン先生祈念館内に入られますと、フリン先生の肖像画、めがね、バスケットボールのホイッスル、万能ナイフスプーン、フリン先生の家族写真、六甲生と写された大量の写真、そしてあの有名な「プログレス」英語教科書の17期から現在に至るまでの全てが展示されています。
<初代プログレス>
特に、17期 小島様よりご寄贈頂きました初代プログレスは、わら半紙にガリ版印刷された手作りの物です。六甲生のお宝発見団に出せば天文学的な評価額がつくかなあと思っています。
<製本化プログレス>
手作りのプログレスは、29期時代に入りますと製本化されました。全冊29期 八木さんの実家から発掘され寄贈頂きました。
<改訂版プログレス>
更に35期になりますと内容も一新されプログレス改訂版が出されました。全冊35期の皆様のご協力でそろえて頂きました。
<録音テープ化プログレス>
創立当初より、神父様という沢山のネイテイブ・スピーカがおられた六甲学院では、「耳で聞く」いわゆるヒヤリングに力を入れておられました。
自習復習用には、オープンリール製のプログレス学習用のテープが作成されました。
<プログレスリピータ>
その後オープンリールテープは、CDに替わり何度も同じところを繰り返し学習できるようになりました。当時最新鋭のsony製CDリピータを29期 芝山さんが実家で発掘され、ご寄贈頂きました。
フリン先生祈念館に来て頂きますと、このリピータを動かして、プログレスのCDから昔懐かしいブランガン先生、スミス先生などの肉声を聞いて頂く事が出来ます。
<最後に>
「青春は密なんです」と言う言葉が今年の高校野球から生まれましたが、多感な中学1年生から私たちの人生を変えるほどに影響を与えて下さったフリン先生と六甲学院に感謝申し上げます。
そして多くの方々が、フリン先生が亡くなられた2009年から今日に至るまでずっと慕っておられる事に驚嘆します。この祈念館に来て頂き、何かを思い出して頂ければ幸いと思います。
文責:29期 藤井則雄 (2022年9月8日)